現在当事務所の業務が非常に立て込んでおり、新規の相談予約受付を当面の間中止しております。
ご不便をおかけしますがご了承ください。
交通事故による受傷のために、病院へ通院する際に、タクシーを利用した場合にはタクシー代は加害者(保険会社)に全額請求できるのでしょうか?
病院への通院交通費については、原則として自家用車または公共交通機関の利用を前提として計算されます。タクシーを利用したいということを保険会社側に申し出ると、「とりあえず領収証を提出してください」と言われるケースがありますが、後で「やっぱりタクシー代は出せません」と言ってくるケースもありますので要注意です。
過去の裁判例等で、タクシーでの通院交通費が全額認められるのは、タクシーでの通院が必要な場合や、他の手段での通院がなしえないような場合です。
具体的には、自宅から徒歩で駅まで1時間かかるのでタクシー利用がやむを得ないケースや(大阪地裁平成7年3月22日判決)、視力がほとんどなく杖を携えたり盲導犬の利用が必要なことから福祉タクシーの料金を認めたケース(千葉地裁平成28年8月30日判決)などがあります。
示談交渉や裁判の際に、「タクシーは相当ではないので出せない」と保険会社や弁護士が言ってくるケースは多いので、安易に利用はしない方がよいでしょう。